新春偶成

「私立短期大学図書館 中国・四国地区協議会ニュース 第39号 2016年3月発行」に掲載していただきました詩歌をご紹介します。

癸巳寒梅莟蕾連
讃岐雪嶂耀冬天
仰瞻白舎如祥鳳
学祖洪基発渙躚

癸巳の寒梅、莟蕾連ね
讃岐の雪嶂、冬天に耀き
白舎を仰瞻すれば、祥鳳の如し
学祖の洪基、渙躚を発すべし

新春を迎えて七言絶句を偶々生成する。
平成癸巳の歳の元旦元朝にみる寒梅は莟蕾を連ねており、
讃岐山脈の雪を頂いた峰嶂は新年初頭の天空に耀いている。
白亜の香川短期大学学舎を仰ぎ瞻れば吉祥を呼ぶ鳳凰が両翼を広げたごとくである。
学祖様が創始された広大な事業の基盤をして、きらきら輝く渙爛躚躚志業を宇内に闡明し顕現発揚すべし。

 本学は学祖大久保彦三郎先生が130年前に創始した忠誠塾、盡誠舎(現 尽誠学園高等学校)を淵源とする。学祖は漢学による近代教育の濫觴である二松學舍(現 二松學舍大学)に参学され、恩師三島中洲先生の奉ずる陽明学を頴哲に修め、師の鍾愛を受けられた。爾来終生に亙り、師弟の恩愛、滴骨血で金蘭の交わりを深められた。七絶は創設130周年記念の前年に慶祝と学祖の志を致遠して拙作したものである。
 長歌は「平成相聞歌」に際し詠じたものである。本学は地域貢献にも注力しており、立地している宇多津町と連携協力協定を締結している。「平成相聞歌」は同町が所管する「若者が集う文化の町うたづ実行委員会」の主催で、本学地域交流センター長が実行委員長を務めている。同センター長から慫慂され固辞するも、再三にわたり督迫を受け三思の末彫心鏤骨でものしたが、ついぞ投稿しなかった詠草である。
 いずれも、依頼内容とは懸隔の感を否めないが、寛恕を願う次第である。

平成27年 新春       

香川短期大学 附属図書館 館長 竹安 宏匡